寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

岸田さんが首相になるのは嫌だなあと思う理由

 政治的なエントリで申し訳ないです。しかし政治、とりわけ経済政策は国民の生活に直結する最大のイシューなので敢えて書きます。

  岸田文雄議員の経歴詳細Wikipediaのリンクをご覧ください。

・1957年 東京都渋谷区生まれ

・選挙区は広島一区(連続8選)

・三世議員(父親は旧通産官僚→衆議院議員(元)の故・岸田文武。祖父は元衆議院議員岸田正記

早稲田大学法学部卒

・元長銀勤務

外務大臣防衛大臣などを歴任

 

 華々しい経歴です。祖父の岸田正記が京都帝大、父の岸田文武が東京帝大を出ていることを考えると早稲田大学卒というのは高校(開成高校)のときにあまり勉強しなかったのかなと思ってしまいました。従兄弟に宮沢洋一参議院議員がいますが、その伯父の宮沢喜一はゴリゴリの東大至上主義者なので、そのことで何か言われてたら気の毒だなと思いました。

 東大出てないから首相にならなくて良いとは思っていません。東大を出ても国の舵取りを誤った政治家はたくさんいますから、学歴は別にどうでも良いです。

なぜ、いま東アジア共同体なのか

 ではなぜ岸田さんが首相になるのはイヤだと主張するかといいますと、ひとえに財政再建論者だから、という一点に尽きます。正確にいうと、「マイナス金利かつ異常な金融緩和を行っているにもかかわらず実体経済は全く回復しておらずマイナス成長である現時点において財政再建をぶち上げている経済政策のセンスのなさ」です。

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岸田さんの経済政策としては日経新聞この記事にあるよう明らかに財政再建すなわち消費税増税・緊縮財政が中心にあります。「目先のことしか考えていない」と現在の経済政策を批判していますが、まだデフレなんだから目先のデフレを退治しなくてはならないでしょう。きっと今後は「あれだけ金融緩和したのに経済成長はマイナスだった、金融緩和は効果がなかった」と主張するのでしょう。法人税はむしろ上げましょう。海外に逃げても補足できる税制にしましょう。海外と比べても日本の法人税は決して高いわけではないと言われています。グローバル企業は日本のために動きませんからね。減税された法人税分をせっせと内部保留を積み上げて国内ではなく海外に投資して、国内外の投資家に配当金を支払っています。

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 岸田さんのお父さん、岸田文武さんは中曽根内閣で頑張られたそうです。岸田さんはお父さんの秘書をしていたので、そのときの話をお父さんからたくさん聞いたのでしょうか。中曽根内閣といえばサッチャーレーガンの真似事新自由主義政治という印象なのですが、そうだとしたら困った親子だなという印象を持たざるを得ません。財政再建論は遺伝するんですかね。(サッチャー新自由主義政策をとった背景としては当時イギリスがインフレだったことがあげられます)

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 (字幕版)

 イギリスでもアメリカでもヨーロッパでは新自由主義の失敗(国内の製造業者と中間層を破壊する)は明らかです。構造改革自由貿易はデフレ圧力がかかります。そしてブレグジットトランプ大統領の誕生などの面白い出来事が起こったのです。日本人は大人しい羊なので暴動も起こらず警察官に見守られたアベ辞めろデモが起こる程度ですけれど。岸田さんは安倍さんよりは知能が高いのでしょうからスティグリッツやテミンなどの学者の説を勉強したり、ケインジアン(ニューケインジアンではない)の意見を聞いてみてはどうでしょうか。デフレ化で消費税増税という天下の愚策に日本の選良たちが躍起になっているのを見ると、日本は国際的な経済戦争でもまたひとり負けるんだなと予想してしまい悲しくてやりきれない今日この頃です。政府は残り、国民は苦しむ。痛みを伴う改革で残るのは、さして減らない国債発行残高と失業で苦しんで痛みに耐えかね自殺する国民の骸と立派な国会と霞ヶ関だけでしょう。

 目の前で死にそうな人に「死にそうになっている原因を作ったお前が悪い」と言って無視するのがデフレ下の財政再建論者であると思っています。日本は再び沈没し、しばらく日の目を見ることはないでしょう。かつてのイギリスのように。

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