寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

諦める技術?

「諦めないこと」を勧める格言はたくさんあります。

もちろん、生まれつきの能力の問題も

まったく無視はできない。

それでもやはり、

これはおまけみたいなものだ。

絶え間なく、

粘り強く努力する。

これこそ何よりも重要な資質であり、

成功の要といえる。

トーマス・エジソン

 エジソンが言うと説得力があります。白熱電球のフィラメントに適した素材を見つけるためにおよそ2千ものトライアルを行いましたがことごとく失敗。それでも諦めず、ようやく出会ったのが日本の京都・八幡の竹。そしてエジソンは電灯の商業化に成功したのでした。

エジソン (おもしろくてやくにたつ子どもの伝記)

(この本ではありませんが、私も少年時代にエジソンの伝記を読みました)

 この他にもいくつか格言を紹介します。

絶望は愚か者の結論である。

ーベンジャミン・ディズレーリ

 19世紀イギリスを代表する大政治家です。のちの帝国主義的政策の端緒を開いたと言われています。

人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。

リチャード・ニクソン

 ウォーターゲート事件とその後の対応の失敗によって失脚したアメリカの元大統領です。ドルの固定相場制を一方的に打ち切ることでドルを切り下げ、経済活性化を狙ったニクソン・ショックで有名です。

諦めたらそこで試合終了ですよ。。。?

ー安西監督(SLAM DUNK

 「諦めない」に関する格言では、この言葉ほどインターネット人口に膾炙したものはないのではないでしょうか。いささかクリシェ化した感は否めませんが、最後まで諦めずやり抜くことに対する分かりやすい肯定的メッセージであることに違いありません。

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 わたしは「諦めない」ことを否定するものではありませんが、ものには程度というものがあるだろうと思っています。「何を」諦めないのか、その結果自分や他者が「何を」得るのか、「諦めない」結果、失われてしまうものは何かー現実主義的というか、打算的に考えてしまいます。そして大抵のことは「諦めてもかまわない」ことのように思います。フラレた相手をいつまでも諦めないでいるとストーカー扱いされてしまいます。自分にとっての必要性・切実性をよくよく考えたほうが良いでしょう。日露戦争の英雄・日本帝国陸軍大将の白川義則はかつて教導団に入団するさいに規定の身長に数ミリ達しておらず、入団を拒まれたそうです。しかし彼は「いま伸びたかもしれない!」と責任者にしがみつき、入団を許可されたという本当かどうか分からないエピソードがあります(漫画「日露戦争物語」より) 。

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 生きるか死ぬか、そんなときには諦めないほうが良いでしょう。とはいえ「行き死にには関係ないから諦めよう」では社会人として信頼されないので、諦めるにも「技術」が必要だと思うのです。いったいどんな技術かといいますと、それは「リフレーミング」「ペンディング」です。 

 リフレーミングとは、思考のフレー厶を変えて捉えるということです。目線を変えてみる、ということと言えます。ペンディングとは、中止ではなく、保留することです。「一旦手を止めて、別の視点から考える」これです。諦めてるようで諦めてないようにも見える。中途半端のようですが、これで良いのです。煮詰まった料理は「いったん」火を止めてやらねば焦げ付いてしまいますからね。そのうち冷めた頭で考えてみたら、諦める必要がなくなるかもしれません。ペンディングとは、解決を時間に任せるということでもあるかもしれません。

 目標があり、それを達成しようと頑張る人は魅力的です。わたしはそういう人間でありたいのです。