寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

財閥・不正・デフレ

 みんな大好き三菱財閥の関連企業である三菱マテリアルの社長が不正の責任をとって辞任するようです。どのような不正だったのでしょうか。

記事にはこうあります。

三菱マテリアルを巡っては昨年11月に品質データ改ざん問題が発覚。子会社5社が延べ800社超の取引先に問題の製品を出荷していた。その後、三菱マテリアル本体でも品質問題があったことが明らかになっていた。

 品質が企画に適合していないものを適合していると改ざんして取引先に出荷していたということのようです。データを改ざんして出荷していた期間がインド人もびっくり(古い)の数字です。

自動車部品などを製造する子会社のダイヤメット新潟市)では77年ごろから、顧客に求められた仕様を外れていても品質管理課長の判断で製品を出荷できる「検査特採」と呼ばれる社内制度に基づき、品質データを改ざんしていた。2016年に一度は不正が発覚し、再発防止策が取られたが、その後新たな不正が発生。その際に当時の安竹睦実社長(今年2月に辞任)は、改ざんを示す資料の隠蔽を指示。18年1月まで約40年間不正が続いた。

よ、よんじゅうねん。わたしが産まれる前から「不正」が続いていたんですね。事故や重大な遅れなどの問題が発生していなかったかどうかが気になるところであります。きかんしゃトーマスならトップハム・ハット卿にしばかれるてころですぞ。

きかんしゃトーマス大図鑑

 さて、なぜ三菱マテリアルの子会社がデータ改ざんしたのかというと、報告書にはこうあったそうです。

報告書はこれらの不正の背景として、能力を上回る受注によって現場に納期のプレッシャーがかかっていたことや、適合品を作る能力の低さ、品質検査の人員不足などを挙げた。親会社の三菱マテリアルの管理体制について「対応にスピード感に欠けるところがあった」と断じた。

・現場の生産能力を無視して納期のプレッシャーをかけた

・適合品を作る能力の低さ

・品質検査の人員不足

とありますが、現場のせいというよりは、むしろ現場を無視してきた経営陣に責任があるのではないのだろうかと私は感じました。現場の人たちが隠し続けたら経営陣は知る由もないのかもしれませんが。。株主様に応えるために短期的にでも利益を出すには「人員削減ファースト」が日本式経営の王道です。そして技術を導入せず(できず)、数が少なくなった労働者を使い倒すことで組織は消耗していくわけですね。。。

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失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

 昨今、日本企業のデータ改ざん・隠蔽指示が次々と明るみに出ています。経団連の連中が偉そうに国民や政府に業界の願望丸出しの提言みたいなことをする前に足もとの自分のところの経営姿勢をどうにかせいよと思わざるを得ません。昔は経団連の人たちは雲の上の人で日本を良くするために頑張っている人たちだと思っていたのですが、ここ数年は"greed"な連中だとしか思えなくなりました。株主のために、自分たちの会社の数字のために一生懸命であることは認めますけれど。

デフレの真犯人 ―脱ROE〔株主資本利益率〕革命で甦る日本

 さて、何が悪いかというと、わたしにはよく分かりません。資本主義が悪い、ということになるかもしれませんし、人の心に棲むgreedが悪いのかもしれません。しかし、greedゆえに人類はここまで生活を便利にすることができたと考えるとgreedが他者のためではなく自分たちだけの利益を考えざるを得ない方向に向かうシチュエーションこそが問題なのかもしれません。それはいわゆるグローバリゼーション、自由貿易、緊縮財政によって引き起こされるデフレーションのことかもしれません。なお、日本の素晴らしい経営者さまたちはさらなるデフレーションを招くデフレ化消費税増税を大歓迎しているようですから、全くおめでたい国だと思います。

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