寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

業界が変わる

製薬会社の行う医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインが本日より施行されます。

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/16012/

業界団体による、いわば自主規制的なものではなく、厚生労働省による、MRの評価体制にまで踏み込んだものとなっています。記事の中では

ガイドラインはMRらの人事評価制度にも踏み込んでおり、役員や従業員が適切な販売情報提供活動を行ったか(行わせたか)を確認し、それを評価に適切に反映するよう、企業の経営陣に要請。厚労省は「適切な販売情報提供活動を行った(行わせた)ことを人事上の評価項目として設定するなど、売り上げ至上主義によらない人事評価制度や報酬体系とすることが考えられる」としています。

と、売上至上主義からの脱却を促しているようにみえます。売上至上主義の結果、誤った情報提供をしてしまっているという点は確かにありそうです。

メーカー側はこれに対し

エーザイの宮島執行役は「今は数的(売り上げ)な評価は半分くらい。これをなくしていくかは検討中だが、少し悩んでいるところもある」と言います。一部の製薬企業ではMRの業務上の目標から売り上げを外す動きもあるとされる一方、会社全体の予算やMRのモチベーションとの関係から後ろ向きの声も聞かれ、手探りの状態は続きます。

という状況のようです。わたしは人間がひねくれているので、「数的評価が半々なわけねえだろ(笑)」と思ってしまいますが。。。「適正に売った」ことを評価されるというより、しっかり売り上げた営業マンの減点要因として「適正に売らなかったこと」が追加されるんだろうなと思ってしまいます。

興味深いのは営業マン(MR)だけでなく、メディカルサイエンスリエゾン(MSL)と呼ばれる部門にも適用されることです。このガイドラインでは提供できる情報の必須条件として「適応の範囲内」という項目があります。添付文書の効能効果の項目に記載されている内容以外について情報提供することが禁じられてしまいます。従ってガイドラインの文言に従うと、適応外の薬の使い方について医師とディスカッションする役割であるとも言えるMSLは活動できなくなってしまうのです。数年ほど前から各企業ではMSLをコントラクト含む外部からの採用、社内での登用などいくつかのチャネルを通じて人材を確保してきました。その取り組みが無に帰してしまうのでは?とMSL職の方々は心配されております。その前にMR職の方がより影響は深刻になるでしょうが。。。さて、これからの業界の行方はどうなることやら。