寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

承認欲求オバケでもいいじゃない

 以前Twitterで交流のあった人が私のことを「承認欲求の強い人だから。。。」と評していたことをふと思い出した。わたしは学がないので、承認欲求とか言われてもなんの事か分からなかったので改めて調べてみました。承認欲求とgooで検索してみた結果、どうやらインターネットコミュニケーションの世界では「承認欲求が強い人=構ってちゃんのイタい奴」という認識のようです。つまりわたしはその人からイタい奴だと思われていて、あまつさえそのことを言いふらされていたことになります。なんたることでしょうか。

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

 少し悲しくなりましたが、「承認欲求」の意味(使われ方)を知ることができたことは勉強になりました。どうもありがとうございました。せっかく勉強したので「承認欲求」とは何か、まとめてみましたので興味のある人は読んでもらえると嬉しいです。

 

 まず、わからない言葉は辞書で調べます。wikipediaによると、

承認欲求とは、他人から認められたいとする感情の総称である。

だそうです。わたしも寿司職人のはしくれとして働いてるので、お客さんや大将から「いい仕事をしてるな」と褒められたいですし、自分自身納得のいく仕事をしたいので、そのために努力しているつもりです(まだまだ未熟ですが)。承認欲求って大仰な言葉ですが、程度の差こそあれ、みんな持ってるようなもののように感じました。さらにwikipediaを読んでいくと、こんなことが書いてありました。

承認欲求は承認されたい対象によって、おおむね2つのタイプに大別される。ひとつは他人から認められたいという欲求であり、もうひとつは自分の存在が理想とする自己像と重なるか、あるいはもっと単純に今の自分に満足しているか、という基準で自分自身を判断することである。前者を他者承認と呼び、後者を自己承認と呼ぶ。

 なるほど、承認欲求には2つタイプがあって、「他者承認:他人から認められたい」というものと「自己承認:自分が自分自身を認める」というものがあるんですね。自己承認って言葉を見て、アトランタ五輪女子マラソンの銅メダリスト、有森裕子さんの「自分で自分を褒めたいと思います」という名言を思い出しました。

走る!―有森裕子・志水見千子・千葉真子 アトランタ1996の激走

他人をバカにする、または非難するときに使う「承認欲求」は、「他者承認」のニュアンスが強いように思っていたのですが、次のような記載がありました。

劣等感の強い人間や、情緒不安定な人間は自己承認が困難だったり、あるいはその反対に過大な自己評価をしがちであることは、よく知られている事実である。また、思い込みが強い人間や被害妄想に囚われている人間の中には、幻想の他者を造り出してしまうために、自分が他者承認の問題であると思っていても、実際には自己承認の問題であるという錯誤がしばしば発生する。

 自己承認のためには自分のことを知ること、自分の相対的な立ち位置の把握が必要ですね。それがないと逆の論理で「劣等感が強い」「情緒不安定だ」と思われてしまうわけです(つまりわたしは劣等感が強い、と言われたということなのかな)。相対的な位置を把握するためには絶対的な物差しが必要になる、という構造があるように思いますが、その絶対的な物差しとは、子育て理論等で言われているような「自己肯定感」であるような気がします。人格という建物を築くための基礎であるとも言えましょう。

 でも、ということは。

 承認欲求が強い、と人に向かって言うことは「劣等感が強い奴」または「心理的に他人より優位に立ちたい奴」「親の育て方が悪かった」と言外に言っているのと同じになるんじゃないですか?そうやって心理学用語を振り回して他人を評価することが、他人より優位に立ちたいという上位承認欲求の現われなのではないですか?などとも考えられるわけです。ビジネスならさておいて、それを抜きにした人と人の関係において、人より優位に立とう、オレわたしはすごいんだ、と半分アピールするような行為はコミュニケーション相手から好感を抱かれることはまずないのでは、と思ったしだいです。

 しかし、資本主義と利己主義にまみれた現代日本のインターネットコミュニケーション界隈では、そういったコミュニケーションで自分のバリューをアピールしていかないと生きていきにくいのかもしれません(そんなふうになってまでインターネットコミュニケーション界隈で生きていく必要があるのか、とも思いますが)。

 自分自身を振り返り、そういう言動があったと思い当たるフシがあるような気がしてきたので、そこは大いに反省しなくてはなりません。そして今後は他人の承認欲求を満たす手助けをする側になりたいなと思いましたが、アイドルやインターネット有名人の自撮りツイートに対して「可愛いですね😍フォローしてもいいですか?」とリプライを飛ばすのは私の美意識に反するので一切やりません(笑)。

 それでは、このへんで。