寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

メンタルヘルスにサイケデリック薬を?

メンタルヘルスに関する記事です。

 不安障害やうつ状態心的外傷後ストレス障害にいくつかの「幻覚剤」が効果を示すんだとアメリカ精神医学会(APA)の年次大会のシンポジウムで言われていたそうです。

"Combined with psychotherapy, some psychedelic drugs like MDMA, psilocybin, and ayahuasca may improve symptoms of anxiety, depression, and post-traumatic stress disorder."

Symposium co-chair Cristina L. Magalhaes, Alliant International University Los Angeles, CA

MDMA、psilocybin、ayahuascaという薬の名前が出てきました。MDMAについてはみなさんもご存知かと思います。いわゆるエクスタシーとして違法に売られている薬の中に含まれると言われています。共感作用があり、アメリカでは2017年にPTSD治療の画期的治療法として指定を受けたそうで、開発が進められているとのことです。

psilocybin(シロシビン)について、恥ずかしながら私は全然知らなかったのですが、これはウィキペディアによるとマジックマッシュルームに含まれる幻覚成分のようです。以下、ウィキペディアを引用します。

セロトニンに類似した物質であり、セロトニン受容体の5-HT2A受容体(英語版)に主として作用する[1]。依存性はない[2]。神秘体験を生じさせ、幸福感や生活の満足度を体験後も長期的に増加させる[3]。イギリスでは、治療抵抗性うつ病や[4]、禁煙[5]に対する効果の臨床試験が進行している。

だ、そうです。うつ病ではセロトニンが減少しますので、確かにうつ病治療に効果があるかもしれません。ちなみにマジックマッシュルームを食べてぶっ倒れた伊藤英明さんはきっとうつ病の治療をしてたんだと思います。きっとね。

そして最後のayahuascaですが、名前の響きからして南米由来のサムシングっぽいですね。アヤワスカと発音します。これについてもウィキペディアを引用します。

アヤワスカケチュア語: Ayahuasca、Ayawaska)は、アマゾン北西部で伝統的に用いられている幻覚剤[1]。ペルーの国家文化遺産[2][3]。狭義には原料のひとつ、南米のアマゾン川流域に自生するキントラノオ科のつる植物のバニステリオプシス・カーピ(以下カーピ)のこと。ハルミンを含むカーピと、ジメチルトリプタミン (DMT) を含む植物を組み合わせる。後者のサイコトリア・ヴィリディス(チャクルーナ)やディプロプテリス・カブレラナ(チャリポンガ、チャクロパンガ)を加え、煮出してこの幻覚性の飲料が作られる。服飲すると、嘔吐を伴う強力な幻覚作用をもたらす。

ということです。少し前に観た映画ですが、ナオミ・ワッツベン・スティラー、そしてアダム・ドライバーが出演している作品「ヤングアダルトニューヨーク」にこのアヤワスカが出てくるシーンがあります。集団でアヤワスカを飲んでゲロを吐きまくるシーンがありまして、一回試してみるのも面白いかもしれないけど、吐き気が出るのはやだなあと思いました(こなみ

f:id:sushishock9:20180810180025j:image映画自体はほろ苦系ですが、なかなか良い作品でしたよ。

 まあそれはさておき、記事にはこれらの薬に関するスピリチュアルな効果が記載されてました。

According to the study's findings, the use of psychoactive substances led to a heightened sense of spirituality, better emotional balance, and therefore a reduction of anxiety and depression, as well as disordered eating.

セロトニン濃度がどうとか、なんとかタンパク質の活性がどうとかそういう指標ではなく、「よりよい感情のバランス」「不安やうつの軽減」など精神医学の実臨床において有用そうなアウトカムを得られているような気がします。もっと論争が深まり、また依存性を軽減させる構造体をつくるなど薬学的な研究も進んでほしいなと思います。

 日本では取締の対象になっていますので、個人輸入とか自宅で栽培・合成するのはやめましょうね。