寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

アラフォーからの手紙

 過去をひきずるのはなぜでしょう。いっそのこと自分の気持ちを書き出してみれば少しは過去の軛から自由になれるかもしれない。

 あまりにも彼女との思い出が良すぎたのかもしれない。なにしろ出会ってから約1年、夢のような時間だったと別れて約半年経った今でも思っているから。

 初めて会ったとき、なんてきれいな人なんだろうと感じた。美しさのわりに気取ったところはなく、話をしていくうちに心を開いてくれた。出会ったその日、彼女にとっては大変辛いことがあったはずなのに明るく振る舞い、同席した人(わたし)を楽しませようとする前向きな人だった。私の知らないことを知っていて、また仕事でも責任ある立場を任されていて、職務に対する責任感やこれから社内でどうサバイブするか考えている人だった。時折見せる彼女のいくばくか弱い部分、ツッコミ甲斐のある部分、そういう部分すべてを引っくるめて魅力的だった。可愛いきれいだ好きだと何回も直接伝えたけれど、まだまだ伝えたりない魅力をあなたは持っている。と、思う。

 いろいろなところに行った。彼女はお酒がたいそう好きで、わたしも当時は酒をよく飲んでいたので、仕事終わりに良く飲みに行った。複数回行く店もあったが、基本的に良さげな新規の店を探していた。わたしがいつも探すのではなく彼女も店を探して、ここに行ってみたいねと提案してくれた。そういうところも好きだった。彼女の持つ人生哲学というか、彼女自身に課している振る舞い方のルールが好きだし、そのように自身を律そうとしている姿が尊敬できた。褒めすぎのような気もするが、今でも実際そう思っているのだ。私は自分がそう思える人と付き合えて幸せな人間だったと思う。今は別れているし、彼女をいまだに引きずっている哀しい人間だけれど。

 私の場合、いきなり音信不通になるといったような別れ方ではなく、ある程度話をして、別れた。別れた(切られた)理由は最後に会ったときには聞けなかった。でもお互いの状況から推察されるものとしては納得できるものであった。そして後日、偶然知ったのだが、やはりその推察は正しかった。ただ私の推察で一つ間違っていたことは、最後にあった日よりかなり前から、既に私以外の特定の誰かがいたということだった。いわば彼女は「保険」をかけていた。今、当時の彼女の振る舞いから考えるとすべて納得がいく。恨みなどはない。むしろ賢いと思う。私が彼女の立場ならそうするかもしれない。むしろ責められるべきは私のほうなのだろう。

 頭で「理解」してはいる。しかし、このような知らなくても良いことを知ってしまったことにより思った以上に精神的なダメージを受けていた。傷ついた、というわけではないと思う。文化祭が終わって受験勉強モードに完全に切り替えないといけないのに、「あのときは楽しかったなー」などといつまでも祭りのときの高揚感に浸っては感傷的になっている、傍から見ていて苛つく受験生みたいなものである。しかし、こういうことに関する考えや気持ちをぶつける相手は、私にはいない。彼女に伝えることはできない。最後に会った日、彼女の振る舞いから私を切る決意が固いことを察して、これ以上連絡するのはお互いにとって良くないと考えた。別れ際に振り返らなくなれば、もう関係は終わりだ。そしてつないだ手を離すときに力を少し感じた。もう気持ちは離れてしまったのだ。そして彼女のラインをブロック&削除、電話番号も削除してしまった。今思えば後悔半分である。確かに連絡しようにもできないことはもどかしいが、結局あのあとメッセージを送っていたとして、彼女の決意が揺らぐことはなく「過去のしつこい男」判定が下されたことであろう。遠い過去の男より近くの今の男である。一般相対性理論より圧倒的な真理ではないだろうか。

 そして今はただ悶々と時間が解決するのを待っている。今何をしているのか、元気か、新しい恋人とはうまくいきそうなのか(わたしと別れたんだからうまくいってほしい)、などなど諸々のことが頭をよぎり、彼女のことを思わない日はないのだが、やがて風化していく日を。

 ここまで書いて、みなさんこう思ったんじゃないだろうか。


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あるいは


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と。

 

うるせえ!わかってらあ!