寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

言語化・可視化・具体化

 漠然とした気持ちを無理矢理にでも言葉にしてみることで、自分の気持ちという主観極まりないものに理性の光を注ぐことができます。その理性の光の別名は客観性と呼ばれます。

 言葉にするだけでも、まず己の気持ちを「分析する対象」に設定することができます。あえて小難しく言うと、主客分離の第一歩を踏み出せるということです。要はモヤモヤしている自分を認識することーメタ認知というやつです。

 メタ認知にあたっては、なにも立派な文章を書く必要なんてありません。「何だかモヤモヤする」まずはこれを口にするだけで良いのです。次に、ノートに書いてみます。「モヤモヤする」と一言だけで結構です。隣に5W1Hを書きます。いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように、ですね。分析して掘り下げていきます。そうして自分の気持ちに向き合い、5W1HにTを加えます。

 TとはThenです。「それで」という意味です。つまり「それで、次は何をすればいいの?どうしたいの?」を考えるということです。分析は過去に向かう営為です。Thenは未来に思いを馳せる営為です。分析だけでは過去に囚われたままですので、「じゃあ、こうなりたいからこうしよう」という未来に向かって過去から脱獄する必要があります。なぜか。分析には落とし穴があるからです。本人は分析しているつもりが、ただ過去を悔やんで思い悩んでいるだけ、ということが往々にしてあります。私もそうなりがちです。未来のために行う分析以外は単なる自己憐憫と怠惰に過ぎない、と言い切る人もいるくらいです。

 また、自分の気持ちに向き合う前にツイッターなどSNSに向かってしまうと、自分の気持ちに向き合っているというより自分の気持ちをそのまま承認してくれるーつまり分析すらできないー存在を求めてしまうということです。自分の気持ちを自分で整理をつけられるようにしたいものです。ある程度考えておかないと相手にされませんし、ナメられますし、徒に相手の時間を奪うことになってしまいます。

 未来を見据えて現在と過去に向かい合うことが大切ですね。自分に向き合うのは辛いことです。孤独な営為です。でも、だからこそ、そんなとき人は成長するものだと思います。ああ、僕も前に進まねば!