寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

サモトラケのニケ

 先日、著名投資家のPeter Thiel氏のスピーチに触れる機会がありました。残念ながらというか当然というかオンラインにて、ですが。そのスピーチでPeter Thiel氏は「競争するな、独占せよ」と繰り返し述べて市場の見極めと技術なりなんなりのかたちで圧倒的優位性をもつことの重要性を説いていました。市場性が大きいからといってニューヨーク(だったかパロアルトだったか)にレストランを開いても儲かるわけがないと。

 とはいえ市場を「独占」するのは難しそうです。アイデアそのものの新規性と有用性、そしてそのアイデアを実現する実行スピードと他が真似できない技術、そして運が必要です。しかしいったん独占してしまえば、スケールメリットなど、巨大であることの優位性が強力に働きます。喩えとしては少し違うかもしれませんが、死亡率が高い周産期〜乳幼児期を生き延びさえすれば死ににくくなるのと同じようなものといえるのかもしれません。

 さて、今朝がた英語の勉強をしていたらアメリカにおけるアパレル業界に関する記事がBusiness Insiderに掲載されていました。目を通してみると、まさにPeter Thielが言っていた「独占」を体現している企業があるではありませんか。生き馬の目を抜く、レッドオーシャンの、魑魅魍魎の渦巻く、栄枯盛衰の激しい(であろう)アパレル業界において、であります。

 その企業の名はみなさんもご存知の、Nikeです。アメリカにおけるトップ15ブランドの「価値」は700億「ドル」(約8兆円!)と言われていますが、Nike社はそのうち40%、280億ドルの価値があるとされています。マクロ経済学(わたしは習ったことありませんが)では独占・独占的競争・寡占・完全競争と市場における企業シェアで分類しているようです。ランチェスター戦略によると、この市場の「40%」という数字は企業が目指すシェアにそのままピタリと当てはまります。そういえば以前いた寿司屋の支店の大将がランチェスター戦略について教えてくれたなあ。いい人だった。。。

【新版】ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則

 だからなんだという話になってしまいますが、Nikeは凄いんですよ。なぜ、どのようにNikeは市場を独占したかーこれについては私は全く知りませんので、そのうち勉強してみようかと思います。NikeについてはJust Do itってコピーくらいしか知りませんでしたし、Adidasのほうが価値があると思っていました。改めて、勉強は必要なんですなあ。

GOLDEN BOY 1巻