寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

金ートランプ会談と上方落語について

 ニュースは米朝首脳会談一色です。

 戦後絶えかけていた上方漫才を復活させた桂米朝桂春団治があの世で話し合いでもしとるんかいなと思うてましたら、なんとびっくりアメリカのトランプ大統領朝鮮民主主義人民共和国DPRK)の朝鮮労働党金正恩委員長がシンガポールで「歴史的な」会談をしたというやおまへんか。こらすごいでっせ!

 

。。。すみません、慣れない関西弁を無理やり使ってしまいました。

 USAとDPRKといえば1948年に勃発した朝鮮戦争が思い浮かばれます。DPRKと韓国の間の国際紛争ですが、ご存知の通りDPRKは当時のソヴィエト連邦の紐付き共産勢力であり、韓国はアメリカ紐付きの資本主義陣営ということで、実質ソ連(+中国)vsアメリカという冷戦構造の走りだったわけです。そして多くの米兵が朝鮮戦争で戦い、死亡しています。DPRKではアメリカのことを「米帝」と呼び、朝鮮戦争米帝と勇敢に戦い戦果をあげた人を英雄と讃えているわけです。このへんはテリー伊藤の「お笑い北朝鮮」を読めば良いと思います(わたしは獄中不転向男リ・インモ氏の話が妙に記憶に残っております)。

お笑い北朝鮮 私が愛した金正日

どうでもいい話の連続ですが、クリント・イーストウッド監督の名作「グラン・トリノ」の主人公コワルスキーは朝鮮戦争に従軍していた過去を持っていましたよね。さあ、ピンとこない人はグラン・トリノを観るのです。

グラン・トリノ (字幕版)

 さて、これからの朝鮮半島情勢の見通しや国際秩序がどうなるかというのは外務省の分析官や日経ビジネスの鈴置高史さんに任せるとしましょう。今回の「歴史的」会談でハーゲンダッツが出されただの握手が13秒続いただのどうでも良さげなことがニュースになっておりましたが、ハーゲンダッツはさておき握手に関しては実はトランプ大統領は握手が嫌いということは皆さんご存知でしたでしょうか。

 先日読了した「金の作り方は億万長者に聞け!」にはトランプ大統領の握手嫌いをあらわすエピソードが記されています。握手ではなく日本のようにお辞儀をするのが慣習になればいいのに、といったことが吐露されています。(まあ、咳やくしゃみをしている人の近くに寄りたくないといったような意味だとは思いますが)

 大統領ともなれば四の五の言ってられないのでしょうし、それだけこの会談に賭けるものがあったのでしょう。大事の前には多少のこだわりは捨てなくてはならないということをトランプ大統領から教えられました。

金のつくり方は億万長者に聞け!──大富豪トランプの金持ち入門

さて、冒頭の桂米朝が得意とした落語の演目「たちぎれ」のあらすじではありませんが経済制裁と体制保障をムチとアメにして非核化をのませるアメリカの狙いがハマれば良いのとは思いますが、金正恩氏は「たちぎれ」に登場する商家の若旦那よりは知恵のある人物のように思います。一体どうなることやら。極東アジアの安定が「たちぎれ」にならないことを願うばかりです。

米朝十八番