寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

デブは感染する

 先日近所を徘徊していたときに肥った女性を見ました。すっかり暑くなりましたのでみなさん薄着です。その太った女性は腹が突き出しており、二重あごにより首がその存在感を失っていました。私の前を通り過ぎていきましたが、その肥った女性のブラジャーの背中の部分の上には皮下脂肪がたっぷりと乗っかっておりました。その女性のすぐ後ろに、彼女と顔と体型がよく似た少年がついて歩いていました。脂質代謝などの体質(遺伝要素)、生活習慣、食べるものの種類や量が同じですので、親子・家族は体型が似てくるものです。しかし、親子や家族だけでなく、赤の他人にも「デブはうつる」と言われることがあります。一体どうなっているのでしょうか。ダイヤモンドオンラインにこんな記事が載っていました。

 記事の要点は、「ミラーニューロン」の働きにより特にダイエットをやろうとしている人は周囲の人の摂食行動を真似しやすい状態にある、ということのようです。咳をしている人に近づかないようにするのと同様、ダイエット中は食欲旺盛または自分の欲望に忠実な人との接触は避けるようにしましょう。デブな行動がうつりますからね。。

意識の高いデブ

 私も一時期より13kg痩せたとはいえ、まだ体重が80kgを超えているデブであります。他人のダイエットを妨げる存在にならぬよう、自戒を込めて書いております。。。

 

 さて、肥満について、私はひとつ関心を持っている話題があります。それは腸内環境、とりわけ腸内細菌と肥満との関係について、であります。腸内細菌については近年研究が臨床レベルで進んでおり、クローン病や安倍首相が罹患していることで注目されている潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(いわゆるIBD)に対する、ある治療法が注目を浴びています。スティーブン・レヴィットの著作「ゼロベース思考」にも記載がありました。確か国内では慶應大学病院がイニシアチブをとっていたような記憶があります。その治療法とは「腸内環境の移植」すなわち「糞便移植」であります。他人のウンコを「移植」するわけです。余計に病気が悪くなるんじゃないかと心配ですが、臨床成績はかなり良いようです。(この研究が上手くいって保険適用になれば、「クソ喰らえ」という台詞の意味が変わってくるかもしれませんね)

0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる

 IBDの治療に腸内細菌が関与しているくらいですから、消化・吸収(と、代謝)の積み重ねの成れの果てである肥満にも腸内細菌は関与していると考えても、それほど論理の飛躍にはならないように私は考えています。実際に、これまたDiamondオンラインの記事ですが、肥満と腸内細菌との関係について書かれたものがあります。脂肪の蓄積を抑え、逆に消費を促進する「短鎖脂肪酸」を多く産生する腸内細菌を多く住まわせることで、肥満体質を変えることができるかもしれないということが書かれています。また、こういう文献もあります(慶應の先生が書いたものです)。

 他者の行動を真似したくなってしまうミラーニューロン、腸内の他者である腸内細菌。。。自分自身だけでなく「他者」を意識することが我々の健康に大きく関わっているのです。腸内細菌あたりの話題は大変奥が深いので、これを機に少し勉強してみようかなと思った寿司職人なのでした。