寿司職人ブログ

人生真ん中あたり

官僚化する婚活②

 官僚制とは「代替可能」「数値で評価する」システムだと言い換えることができます。そのシステムはオープンイノベーションを実施するプロセスにおける「モジュール化」に通じるといえましょう。ごく単純化かつ直訳的に表現すると、「部品化する」ということです。このオープンイノベーションにおけるモジュール化と官僚制にアナロジーがあると私はみています。

 翻って昨今の婚活はどうでしょうか。ツイッターなどでは婚活アカウントという存在があるそうでして、自身の婚活模様をツイートするのみならずツイッター上で結婚相手を探すそうです。相互でしばらくの間やりとりがあり、気が合いそうなので会ってみましょうとなり、直接顔を合わせてやはり気が合うので男女の交際をしましょうとステージが進み、おめでとうございますとなるのであれば昭和生まれの私にも理解ができます。これはモジュール化とは言えないでしょう。相手を一人の人格を持つ人間として捉えているのですから。

 しかし一方で、モジュール化した婚活を行っている人もいます。昔から「三高」などと言われていましたが最近では年収一千万以上、商社マン、早慶以上、都内出身etc...などという条件を冒頭から掲げて婚活する女性がいるというのです。まさに部品化、モジュール化であります。条件と結婚するわけです。自分のために。これぞまさに官僚制と化した婚活であります。肝心の「人間」が置き去りになっていると言わざるを得ません。

 先日のエントリでは東京カレンダーを例にあげましたが、東京カレンダーの記事もまた「記号化」されております。港区がどうのこうの、経営者がどうのこうの、連れて行く店がどうのこうの。。。肥大化する欲求が人間不在を招くのでしょうか。心安らかに暮らすため、我々は自分の欲求をコントロールする術を身につける必要がありそうです。それは官僚制なるものとの戦いであるのでしょう。